劇画調!まなびストレート!

ホント回を増すごとに面白くなってきています。笑いの要素も以前より増えてるし、なんで最初は少なかったんだろう。

テーマはしっかりしているけど、絵がぷにぷに。そういう話がいろんなところでされて、僕も以前しましたが、反対にじゃあごりごりに劇画調だったら、と考えるとなんだかなあ、な感じになりそうな気がします。

今の時代のアニメというものは、戦争を書くならガンダムなんかのロボットであるとか、象徴界の衰退も涼宮ハルヒエヴァだったり、何らかのアニメ的設定を通してしかテーマを描かないものです。

ベタなテーマをネタ的に。ある意味スノビズム的な価値観のようにも思えるけれど、意外とそれでも心に届くものがある。オタク的なプリズムを通して描くものにこそ何かを感じる。これは何故なんでしょうね。

もし「まなびストレート!」をさいとうたかを先生が書いたらどうなるんだろう。きっとマジな話になりすぎて、人気が出ないような気がします。全共闘ネタもネタじゃなくなりそうな。いや、面白いだろうけど、それはそれで。

結局のところアニメはエンターテイメント。でもその中に垣間見えるテーマを読み取ることで、それははじめてベタに届くのかもしれません。つまり押し付けられるのではなく、視聴者が自らテーマに接近するようなモデルになる、とか思ったりしました。

でも結局のところアニメとかっていうのは大人になっても子供っぽいものが好きな人が見るものであるのは変わらない気がして、だからテーマも安易で青臭いものが多かったりします。でも大人な大人より子供な大人のほうが魅力的だと僕は思うし、純粋なのは良いことだとおもいます。純粋さが否定される世の中は良くない。

まなびストレート!」で描かれている世界は少子化で学校も生徒も少なくなり、より実利主義的な風潮が蔓延した社会です。舞台が2035年というのも、現状を意識した設定だと思います。高校は就職活動に特化した教育課程をとるようになり、また或いは専門学校化します(大学がどうなっているのかが気になります)。そんな中、学校行事は廃れていく。個人個人が面白いことをやっていればいいと言う時代になる。これは「ギートステイト」の考え方ともちょっと似ている気がします。

そんな中、この過剰にぷにぷにした「子供」たちが何を考えて何をやるのか。

このベタなテーマ(ネオリベ)に回答を出すには、こういうアニメ的な設定というのはきっと必要なんじゃないかと思いました。